旅 常 人 -RYO JYO TO-

旅を振り返りながら、これから旅する方にアドバイスします

カンボジア アンコールワット

カンボジアは現在でも人口の70%が農民でGDPの30%を農業が占めます。

アンコール王権の拡大のためには農業を充実させることが必須でしたが、この地方の土壌の大部分が水はけがよい砂質土のため、農業にあまり適さない土地でありました。

 

そして砂質土の下には粘土層があり、降った雨は地下に染み込みすぐに流れてしまいます。

雨には比較的に恵まれた土地で、平均降雨量は1300ミリ〜1800ミリ程度で日本と同水準ですが、雨季と乾季がはっきりと分かれています。6月〜11月の雨季は毎日うんざりするほど雨が降りますが、12月〜5月の乾季はほとんどと言っていいほど降りません。

乾季にも農業を続けるには雨季に降った雨を貯蔵する水利インフラが非常に重要だったのです。

歴代のアンコールの王は流水・河川をコントロールする貯水池や水路・運河を建設する土木事業を成功させ、田地に給水させて農業経済を発展させることで王権を維持していました。

さらに水路や運河の建設は、首都と遠隔地を結び政治的統合を維持するためにも重要でしたし、各地からの物産を集約してインドや中国との交易にも活用されていました。

 

つまり、アンコールの壮大な寺院・都城の建設が可能だった理由は、大規模な水利インフラ開発の成功で経済発展に成功し、大量の人口を抱えることができたためでありました。

勿論、寺院の建設はアンコール王権の神性や権威の永続性を目的としていましたが、経済発展と地域開発と表裏の関係でありました。

 12世紀初頭にスーリヤヴァルマン2世によって創建された巨大な伽羅群がアンコールワットです。

 約35年の年月とのべ6万人の手によって作られました。当時は「王様の権力の象徴」または「神々と交信する儀式の場」としての役割がありましたが、王都がプノンペンに移った後しばらく忘れ去られていた期間の長さゆえに神秘性を増したと言えるでしょう。

 

アンコールワットは日本から気軽に行ける渡航先のひとつです。今現在、直行便はなく、ベトナムバンコクから乗り継いで行くのが一般的です。
カンボジア入国にはビザが必要です。現地の空港で取得も可能ですが、事前に取得しておくことをお勧めします。

というのも、玄関口となるシェムリアップ空港の税関員や空港職員は便宜をはかる代わりに賄賂を要求して来る人がたまにいて、到着して早々そういう輩とのやり取りで不愉快な思いをするくらいなら多少面倒でも事前取得したほうがマシだと思うからです。
アンコールワットは日の出の時間に見るのがベストで、撮影がメインの旅行者は朝早くから場所取りで良い場所を陣取っています。
遺跡周辺は街灯がなく、駐車場から入口に掛かる橋を渡る時は注意が必要です。というのも、橋には欄干がないのです。一年のうち、何人かは川に落ちてしまう人がいます。ですので、アンコールワット見学には懐中電灯は必須ですね。
アンコールワットのお土産としては、アンコールクッキーというものがあります。実は日本人が開発した商品で、それまで観光客、特に日本の観光客が買えるようなお菓子がなかったのが誕生の発端だそうです。日本人の為のアンコールワットのお土産と言えるでしょう。